2024年度統計関連学会連合大会で発表しました

2024年9月1日~5日に東京理科大学(神楽坂キャンパス)で開催されました2024年度統計関連学会連合大会において佐藤彰洋研究室より以下5件の報告を行いました。

2024年9月2日 [2GPM1-02]

ハイパースペクトルメータHISUIの観測データを用いた高次元メッシュ統計の作成とその分析

〇佐藤 彰洋1 (1. 横浜市立大)

HISUIは国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟の船外実験プラットフォームに搭載された、全球規模で観測可能な世界的にみても最先端のハイパースペクトルセンサである。空間分解能20~31m、波長域185バンド(450nm~2500nm)のハイパースペクトルセンサで観測される地球観測データを元データとして高次元メッシュ統計データを作成する方式の提案を行う。さらに作成したメッシュ統計データを使ってスペクトル情報を利用したデータ分析の結果について報告する予定である。

2022年9月2日 [2HPM1-04]

高卒採用のためのビッグデータと空間分析の統合アプローチ

〇渡邉 潤1、佐藤 彰洋1 (1. 横浜市立大学)

本発表では、高卒採用市場の困難さと高卒離職率の高さを背景に課題になっている企業求人活動の課題を扱う。厚生労働省のデータを用いて高ポテンシャルな高校を特定するために利用可能なマッチングアルゴリズムの提案を行う。具体的には、事業所周辺の高等学校位置から計算されるメッシュコードを元に、空間埋め込み二部グラフを構成し、物理的距離を使い重力モデルを組み合わせた空間分析を通じて高等学校と事業所のマッチング指標値の計算方法を開発する。この指標値計算アルゴリズムを使い、MESHSTATSを活用したアプリケーションを試作して、実際の企業担当者からのフィードバックを得た結果について報告を予定している。将来的には、空間近接性をもとにした、求人ポテンシャル予測への展開を想定する。

人流メッシュデータを用いたバス輸送効率性評価方式

2022年9月2日 [2HPM2-04]

〇小田島 洋斗1、佐藤 彰洋1、松井 伸司2 (1. 横浜市立大学、2. 総務省)

本講演ではバス輸送の効率化のために携帯端末から取得した位置情報由来の人流メッシュ統計からバス路線の評価値を提案し、営業係数や一日平均乗車人員などバス輸送の営業指標値と比較分析からその妥当性を検討した。横浜市営バスを調査対象として設定し、バス経路・時刻表データ等をまとめたGTFSデータから横浜市営バスのバス停位置・走行距離を特定した。そしてバスが停車する時間帯における人流メッシュ統計データから流動人口を取り出し集計することでバス経路上の潜在需要人口の代理変数を算出した。この潜在需要代理変数を走行キロで除することで、評価値を定義し、横浜市交通局が公表するバス路線別収支を正解データとして比較を行った。分析の結果、提案評価値によりバス路線の特徴・性質を区別できることが分かった。

2022年9月3日 [3HPM2-04]

メッシュ統計を用いた公共交通アクセシビリティ指標(SDG11.2.1)の計算方式の開発とその評価

〇三ッ森 大輔1、佐藤 彰洋1 (1. 横浜市立大学)

本講演では、メッシュ統計を用いた公共交通アクセシビリティ指標SDG11.2.1の計算方法を提案する。SDG11.2.1は「公共交通機関へ容易にアクセスできる人口の割合」を算出したものであり、持続可能な開発目標(SDGs)のゴール11「住み続けられるまちづくり」のターゲット11.2「2030年までに、脆弱な立場にある人々、女性、子ども、障害者及び高齢者のニーズに特に配慮し、公共交通機関の拡大などを通じた交通の安全性改善により、すべての人々に、安全かつ安価で容易に利用できる、持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する。」の実現度合いを計量するための指標であるが、現在我が国では指標値が不明であるという課題がある。本講演では、SDG11.2.1の指標値を国勢調査メッシュ統計と公共交通の位置座標データから都道府県ごとに算出し、我が国の公共交通のアクセス性の地域比較分析の結果を報告する予定である。

2022年9月3日 [3HPM1-06]

求人広告データを用いた地域メッシュ毎の労働市場分析

〇小笠原 章弘1、佐藤 彰洋1 (1. 横浜市立大学)

本研究は、主要求人広告サイト「バイトル」データを用いた、地域メッシュ毎の労働受給状況を捉える分析である。webスクレイピングにより求人広告データ一覧を取得し、さらに住所情報をメッシュコードに変換することで、メッシュ統計に基づく時空間分析が可能な形にデータを加工した。また、求人広告数と周辺人口の関連性を地域メッシュ毎に分析し、労働需給の状況を地域毎に明らかにした。本講演では、データ収集・加工のプロセスと、求人数と周辺人口の関連性や求人の賃金と応募倍率の関連性を数理モデル化することにより得られた知見を発表する予定である。